~鼻のみでブラジル開通を命じられたピノキオの物語~

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~その物語はとある村民が”ソイツ”を持ってくるところから始まる~

 

 

 

「おい、いつまで寝てんだ起きろ!!ちょっと来てくれ!!」

 

 

「目覚め悪いなぁ、こんな朝早くから…どうした??」

  

 

「ちょっと”コイツ”を見てほしいんだ。」

 

 

 

 

「なんだ?このデカい木の人形は…??朝っぱらコイツがどうしたっていうんだい??」

 

 

……こんにちは。

 

 

「は??こいつ今喋ったぞ…!??」

 

 

「ああ、そうなんだ。コイツは木の人形だっていうのに人の言葉を話すことができるんだ。驚いただろ?」

 

 

「わずかながら自我があります。」 

 

 

「朝から気色悪いわ!!そんなの山の奥に捨ててこい!!」

 

 

「それにコイツには一つ特徴がある…おい!あそこにあるをめがけてやってみせるんだ!!」

 

 

「…はい。」

 

  

  

モーリーロバートソンと恋敵になったことがあります。

 

 

 

 

 

「はい!??一体何が起こったんだ…!?」

 

 

「あぁ…俺の口からも説明しておこう。こいつは噓をつくと急激に鼻が伸びる性質らしい。」

 

 

「…父方の祖母から遺伝しました。」

 

 

「隔世遺伝してんじゃねえよ!!そんなことより俺の大事な壺をなにターゲットにしちゃってんの?お前弁償しろよ!!」

 

 

「確かに人のモノ壊すのはいけねえよな。よし!お前弁償してやれ!」

 

 

「えぇ…マタギさんがあの壺めがけてやれって、言ったんじゃないですか…」

 

 

「んなことは一言も言ってねえよ、人のせいにすんな!!」

 

 

「そんなぁ…」

 

 

話は聞かせてもらったよ…!!

 

 

「誰だ!!?」

 

 

 

「どうも、おはようさん。皆ご存知の通りこの村で一番偉い村長さんですわな。」

 

 

「(アホの村長来たよ…)どうも…村長さん、何故こんなところに…?」

 

 

「あぁそれはだね、その鼻伸び木人形を私たちのプロジェクトに使用したいので、譲ってほしいよね~ということを伝えにきたんだよ。」

 

 

「ふん、コイツは俺が最初に見つけたんだ無理な相談だね。」

 

 

「はい、ツェーマン。」

 

 

 

 

「あざっす!!あ、早いとこ持ってっちゃってください!!」

  

 

「嫌とは言えない自分が嫌いです。」

 

 

 

村長がピノキオを受け取り5日後、ある盛大なプロジェクトが発表される…!!

 

 

「皆様!!ようこそお集まりいただきました!!今日はこの村の記念すべき1日になること間違えなし、この鼻伸び木人形の力で我が村をブラジルまで開通することをここに宣言します!!」

 

「断れるチャンスはあったのにな…」

 

 

村長の考えはこうだった。ピノキオの鼻を伸ばした時のとんでもない威力を利用して、地面を掘り進めブラジルまでの道を開通し、交通料金を得ていっちょ儲けてやろうという極めて安直なものだった。

しかし村長はこのプロジェクトに対し、一切の疑念も持たず計画を進めていった。この根拠のない自身をもつ彼こそが時代の変革をもたらす唯一無二の存在になることは想像に難くない。

 

 

「それでは木人形君、最初の嘘をお願いします!」

 

 

「…はい。」

 

 

 

 

「モーリーロバートソンと恋敵になったことがあります。」

 

おおおおおおぉ~~~~~~~~~!!!

 

 

この嘘を皮切りに村長考案のプロジェクトは開始される。

 

 

 

「ゴマキと小中高一緒の学校でした。」

 

 

「ガチンコファイトクラブの二期生でした。」

  

 

「カバをおかずに自慰行為をしたことがあります。」

 

 

 

「ん??鼻伸びねえぞ??」

 

 

(あ、やべっこれは本当だった。)

  

 

 

それからも彼は淡々と嘘を吐き続けた。誰にも指図を受けることなく、感情を表に出すこともなく、ただひたすらに自分のペースで…

そんな中、このプロジェクトの進捗に関わる重大な事件が発生した。

 

 

そう。プロジェクト発起人である村長の横領事件である。彼は村の財源でもあり言わば村民の血税を自身の趣味である美容整形に使い込んでいたのであった。日々激務でやつれていく村民とは裏腹に、どんどん肌にツヤが出て若返っていく村長を訝しげに思った副村長がこれを暴き不正を見破ったのであった。

 

とはいえ、そんなことはつゆ知らず鼻を伸ばし続けていたピノキオ。当然の如くプロジェクトは頓挫し、村の誰からも存在を忘れられてしまっても、彼は延々と愚直に嘘を吐き続けるのであった…

 

  

「盗んだ賽銭で中古のアルファード購入しました。」

 

 

 

 

五年後…

 

長い年月が経ち、それでも言われた通りに嘘をつき続けていたピノキオ。彼の幾年の努力の結果、遂に一つの中継地点に到達した。

 

 

「ギャーーーー熱い!!!!!」

   

 

 

辿り着いた到達点それは地球の中心部、通称”“。

364万気圧・5500°Cという超高圧高温状態である中心部をその細長いだけの鼻、たった一本のみで掘り進めなければブラジルへの道を開通することはできない。

 

 

 

「熱いよ………。みちょぱはへそ黒い……。」

 

 

しかし、並大抵の嘘では核を貫くことはできず、噓を吐く度に高温で鼻が溶けていく感覚があり、硬い地面を掘り進めていたピノキオでも突破は容易ではないと感じていた。

 

 

 

「あぁ熱い…ゆきぽよヒザ黒い…。」

 

 

所詮は木の人形に過ぎない。

 

 

「熱いよぉ…みちょぱはへそ黒い……。」

 

 

最早ここまでか…

 

 

「あぁ熱い…ゆきぽよヒザ黒い…。」

 

 

心折られ諦めていたその時、頭の中で女性の声が響いた。

 

「頑張って…!!」

 

その瞬間、ピノキオの脳内に電撃が走った。彼はその声を聞いたことがあったのだ。優しく全てを包み込んでくれるような聖母のような声…

その声の主を理解するのに時間はかからなかった。

 

 

 

「この声は…ゆう…???ゆう!?」

 

 

そう、それは紛れもなく手島優の声だった。

 

 

「ゆうだよね???ゆうだ!!!ゆうなんだね!!!」

 

 

手島優。その女性はピノキオにとっては懐かしくもあり愛おしくもあり最も大切な存在だった。というのも彼は手島優がデビューしてからの数年間、思いを募らせ妄想の中で密に交際していた人物だからだ。彼の妄想の中では紆余曲折ありながらも深く愛し合い、その慎ましい世界の中で郊外に一軒家を35年ローンで購入し小学生になる娘もいる。

 

(妄想の中で生活している家)

 

その暖かな美しい日常を彼は忘れていた。日々せわしなく鼻を伸ばし続けるしかない生活の中で消えかかっていた世界。その記憶の断片を一つ一つ取り戻し、彼は覚醒していく…!!!!!

 

 

 

「手島優と似ているデニムパンツ持ってます、手島優と同じ干支です、手島優と西友のポイントカード共有しています、手島優と一緒に四国のお遍路巡りました、手島優の実家は煎餅屋、手島優は自家製のぬかを育てている、手島優はSASUKEに出場してフィッシュボーンで落下しました、手島優のヒット曲ハミ乳パパラッチはダブルミリオン突破の名曲です、手島優と一緒に食べたガムを冷凍庫で凍らせています、手島優は回転寿司でシャリを外してお刺身丼にします、手島優と私はおへその位置にお揃いのタトゥーを入れてます、手島優と僕は、手島優と僕は、手島優と僕は…!!!」

 

 

「手島優と僕は…!!!生命の垣根を越えて深く愛し合っている!!!!!」

 

 

 

忘却の日々を取り戻したその日。

 

 

 

彼は地球を貫通した。

正確に言うと貫通したのは鼻ではなく、興奮により収まりが効かなくなった彼の股間だった。その下腹部の膨らみは最早地球の核の熱さなど優に超え、この惑星で一番熱を帯びたものとなる。

 

鼻を伸ばし続けるだけの日々の中で多くの心労があったにも関わらず、それらを厭わない彼の姿に人々は感銘を受けた。彼の人生が人づてに伝えられ、かく言う童話ピノキオが誕生する。

 

 

 

 

その後、全てを憎みしその木偶は地球のありとらゆる生命力を吸い取り、銀河系を網羅し者になった。

 

 

 

 

 

「村長…ゆるさん……。」

 

 

 

 

続く…!!!

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