
Z高校。それは山奥にひっそりと佇む小さな高校だ。
しかし、その静けさとは裏腹に生徒が常軌を逸しており、その凶悪さから教師は逃げ出し、市も見て見ぬふりをしてるおぞましい高校なのである。

「そんな所に赴任することになったが、俺が生徒たちの根性を叩き直してやる!」
この意気込んでいる男は田島英吉。数々の不良を更生に導き、学校を再建してきた伝説の教師なのである。
そんな男がこのZ高校にやってきたのだ。

「みんな初めまして!今日から赴任してきた…」


「は???」

「イテててて…」

「お、おい!!大丈夫か???」(生きてる…??)

「大丈夫だよ…僕は脳が小さくて中が空洞になってるから、直接脳をヒットしない限り死ぬことはないんだ…」

(そういう問題か??)「とにかく矢を抜かないと…」

「だめだよ先生。この矢は”かえし”になってるから中々抜けないようになっているんだ。だから刺さってる木の部分は折って…」


「飛び出た矢じりは頭の中に入れるようにしてるんだ。」


「そんなことすんな!中で矢が刺さったらどうすんだ!!」

「うん…でもカラカラだった頭が前よりも重くなって充足感があるんだ。」

(何を言ってるんだこいつは…?)「それより、この子に矢を撃ったやつは誰だ!??」


「へっへっへ、おれだよ、せ・ん・せ・い」

「てめえ、鉄拳制裁だ!!」

「駄目よ!!!」



「あいつは学校一の極悪非道の弓道部!!逆らった者はあいつの矢の餌食になるのよ!!これまで多くの先生が穴だらけになってしまったわ。もうあんな姿見たくないわ、今は我慢して先生!!」

「へっそういうことだ、せ・ん・せ・い」

「クソッ…」
授業を早々と終え放課後(偏差値24なので20分1コマしか授業がない)

放課後、田島は今朝起こったことを考えた。
頭に矢が刺さった生徒のことを。天井に無数に刺さってる矢のことを。穴だらけの校長のことを。委員長気質なGカップのことを。そして、クラスの覇権を握っている弓道部のことを。
とにかくあの弓道部をどうにかしないと…皆、恐怖しているに違いない。
田島は考えた。自身も不良少年だった経験があり、それを恩師の先生に更生してもらった。あの先生ならこんな時どうするだろうか。田島は考えた。夕方になっても、夜になっても寝ずに一晩中考え続けた。
そして一つの答えに辿り着く…!!!

「皆、よく聞いてくれ。今日から授業は一切しない。」

「ふぇっ!??」

「なんやて!??」

「そのかわり、君たちに一冊の本を読んでほしいんだ。」

「何よ!!?」

「へ???」

「それがこの本だ。」

~7つの習慣とは~
スティーブン・R・コヴィーによって書かれ1996年に出版された書籍。原著の初版は1989年。
ジャンルはビジネス書とされる場合が多いが、成功哲学、人生哲学、自助努力といった人間の生活を広く取り扱っており、人文・思想、倫理・道徳、人生論・教訓、自己啓発などに分類される場合もある。1996年出版の日本語版では、表紙のタイトルの下に「個人、家庭、会社、人生のすべて ― 成功には原則があった!」と表記され、「成功には原則があった!」の部分が副題とされる場合もある。ただし、オーディオブックの版監修を行った竹村富士徳氏(フランクリン・コヴィー・ジャパン取締役副社長)によると、「成功には原則があった!」という副題は、マーケティングの都合で付けた原文にはない文である。帯には版によっていくつかの種類があり、「この本を読むことは、あなたの人生における最高の冒険になるだろう。」、「全世界1500万部突破の名著が教える永遠の人間学」などと謳われている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/7%E3%81%A4%E3%81%AE%E7%BF%92%E6%85%A3#%E6%A6%82%E8%A6%81
生徒たちは最初こそ嫌がっていたものの、田島の熱量に押され渋々読み始めた。文字の分からない生徒も中には存在したが、それでも田島は熱心に教えた。
弓道部は表紙のコヴィーを穴だらけにしたが、メルカリやブックオフで根気強く買い漁り与え続けた結果…

「そこまで言うなら読んでやるよ。」
なんと、今まで頑なに拒否し続けていた弓道部が弓と矢を置きページをめくり始めた。今までの時間を取り戻すようにゆっくりと…その結果…!??

この本のおかげで生徒たちの平均偏差値は格段に上昇することができました。
そんな生徒たちの声を聞いてみましょう。




続く…!!!!!

「ほひゃ、ひひゃいほひほはへはいへ!!!」(こりゃ、次回も見逃せないぜ!!!)
・この物語はフィクションです。実際には偏差値24の学校などありませんし、7つの習慣を読んでも劇的に偏差値が変わることもありません。また、記事内で登場している弓道部は何の礼節も重んじてはおらず、弓を握る資格などありません。絶対に人を射ることはやめましょう。またこの物語の次回はありません。
次の日